Aktis of Kaito Office Inc.

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創造の過程

二人の約束の瞬間をみまもるアクティスの光

「アクティス」は、いままでのチャペルにはない独特な雰囲気をもっていますね。
いったいどのような空間になるのでしょう?

竹山 ひとことで表現すると、色のない空間です。外壁にはグリーングレーのチタンを使い、堅さを感じる外観。チャペル内の床は緩やかに下り、正面に白い石の祭壇があります。天井の高さを十分に確保し、外観から想像するよりもはるかに伸びやかな空間です。
壁は純白よりややトーンを下げた白色で、やや粗めの塗り仕上げ。壁に設けられたスリットから光が差し込み、館内は心地よい暗さに保たれています。
ヴァージンロードには、赤い絨毯をひくようなことはせず、ただベンチサイドに仕掛けられたライトによって、縦に並ぶ光の線で照らされる筋のようなイメージです。
ここは光と音をとても重要視して設計した建物なんです。なぜかって言うと、記憶に残る空間体験には、光と音の要素がとても大きく関係していて、そこが空間のイメージを決定しているんですね。ここは二人が「約束」をする場所だから、絶対的に崇高な空間であることが必要でしょう。だからそういう光の状態を創り出すことを考えたんです。

CIMG0373.JPG模型を見ながらの打合せ

CIMG0395.JPG建設中のAKTISとてもドラマティックで、しかもまじめな空気を感じるのですが、最初に海藤さんが竹山さんに伝えられたイメージはどういったものだったんですか?

海藤 小さな独立型のチャペル。それだけを伝えて、設計をお願いしたんです。結婚する二人がその場に来て、はじめて完成するような空間。そこのところを竹山さん流に創って欲しかったんです。
祭壇の上部、正面に日比野克彦さん制作のステンドグラスがはまります。そこを通り抜けてくる光が、チャペル内に太陽光の状態や時間変化を影という要素で落としてくれるはずです。まさに瞬間の持つ神秘性とか、崇高さを最大限受けとめられる空間ですね。
誰でも新たな一歩を踏み出すときは、純粋で崇高な場所を通過する、そんな感覚を持ちますよね。まさにここは結婚する二人が決心をして、約束をする場所でしょう。そういう場所であるということを、まじめに考えたかったんですよ。


PICT0198.JPG日比野氏とも綿密に打ち合わせた

ピュアな気持ちの結晶体としての独立型チャペルを創る

純粋で崇高…。それはお仕着せや形にとらわれない理想の結婚式ですね。きっと素敵な式が挙げられそうです!

竹山 海藤さんからのイメージを聞いて、「独立型ってなんだろう」って考えたとき、最終的に純粋な結晶体じゃないかと…。
このデザインが導き出されたのには、ちゃんと理由があって、場所のもつ意味と必要性をまじめに考えた結果なんですよ。
たとえば、深い森に身を置いたとき、あるいは雄大な水の流れを目にしたとき、超越的な力を感じるし、聖なる何かを感じるでしょう。そして何かを決心するとき、自分の力を超えた何かを信じたいと思うでしょう?
それは森が持つ神秘性であるかもしれないし、水の流れが持つ永遠性であるかもしれない。おそらくそこにある空気。ピュアな心が必要としているのは、そこにある聖なる空気感だと思うんです。

海藤 過剰な装飾とかムダなものは要らないと言いたかったんです。ここはピュアな心が結晶化する場だから、聖なる空間さえあれば、いいんじゃないかと。

竹山 何がいちばん大切かを考え、その優先順位が決まれば、機能はもちろん、おのずと空間デザインが決まるといってもいいかもしれません。

なるほど。いちばん大切なものって何?を考えてみると、まず二人が永遠の愛を誓う挙式空間ですよね。そして、その舞台を引き立てるようにブライズルームやゲストハウスが備わっている。まさに結婚する二人を中心に考えた結果ですね。

海藤 心が温かくなるような式ってありますよね。そんな式の共通項は人が主役になっていることなんですよね。
だとしたら便利すぎる機能はおせっかいにしかならない。演出しない演出というか、省く演出があってもいいんじゃないかと考えていて、必要だと思いこんでいる機能や常識は疑ってみることにしているんですよ。この場所で式をあげられる二人に、まずこの空間のもつ空気を感じてもらいたいんです。そしてシンプルな空間に立って、いまの熱い気持ちをお互いに見つめ合って、きちんと大切なものを考えてほしい…。
二人らしいステキな式が、このチャペルでなら創れるはずですから。
京都ブライトンホテル