light and glass

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光と硝子

展覧会について

コラボレーション

mihoya.jpg 海藤がデザインした硝子のテーブル “技術”が先にあるのか、“発想”が先にあるのか、どちらも、ものづくりにおいてはお互いがお互いを高め合う要素のひとつである。

 三保谷硝子店の三保谷友彦氏と海藤の打ち合わせは常に迅速だ。「こういうのつくったんだけだどさあ」「ふーん。面白いなこれ。」などといいながら、打ち合わせは始まる。その風景はまるで少年たちが珍しいものを見せて驚き、目を輝かせてるとも言えなくは無い。今回の試作展にあたってのテーブル(写真)は、弾丸が貫通した後のような硝子のサンプルから始まった。何故このようなものをつくり出したのか、その最初のところはまた物語があるだろうが、海藤の発想へのインプットはすでにこの硝子が存在しているというところからだった。

試作店作品の誕生

 「硝子って、割れそうで、割っちゃいそうで、気を遣うとろがあるけど、これは安心だね。もう、割れているんだから。」これが海藤の第一声だ。三保谷氏は、海藤が照明デザイナーであるから、照明器具を期待したかもしれない。が、すぐにそれは「丸テーブルにしよう。脚も硝子で。」となった。そう決まるのに時間はかからなかった。技術的にそれが可能であるか、三保谷氏もすぐに思考を巡らせ、このヒビが入った硝子を透明な硝子とサンドイッチにして、脚を3本にするということについてもすぐに決定された。何か綿密な打ち合わせを繰り返し、形に近づくということがいつもない。ふたりの気性として、ダラダラやらないということはもちろんだろうが、ぐちゃぐちゃいじくっていいものができるということを信じていないというところもあるのかもしれない。もちろん、「ここ、こういうふうにはなるの?」など質問はある。しかし基本的に、それぞれプロなのだからベストのものをお互い見せ合っているという地点から話が進むので出来る出来ないの判断はもちろんのこと、よいもの、面白いものになるということが割合早く判断できるからなのだろう。

tateshina_091030_082のコピー.jpg硝子のブラケット照明

オリジナル照明器具

KO_shiseido03.jpg東京銀座資生堂ビルにあるオリジナル照明器具。 よくオリジナルデザインの照明器具をつくることがあるが、そのデザインにガラスを取り入れることは多い。“何かを通ってくる光”できれいだなあと思えるものはやはりガラスが一番である。例えば、東京銀座資生堂ビルが新しくなってもう10年であるが、このときにも三保谷硝子店のガラスを使った。この建築はスペインの国際的建築家リカルド・ボフィルの設計で、ボフィル氏とこの建物の照明を打ち合わせたとき、泡入りのガラスサンプルを見せてその気品ある素材感を確認してもらい、これをチャーミングなデザインにすることを話した。そして光の屈折などを利用しガラスを重ね合わせることで、宝飾品のような輝きを持つ照明器具となった。比較的小さな器具ではあるが、今なおボフィル氏の空間の中で、目につき存在感を主張している。

まだまだ続く

 ガラスそのものの魅力を取り入れた器具は、その多くは光源が分からないようにすることが多い。光だけをガラスに通したいのだ。電球があるとそちらのほうが光っているわけだから、そちらが眩しかったり、透けて見えているのでは
ガラスに目がいかない。それだけのことなのだが案外気を配って、詳細を詰めないと出来ない。そうなってくるとそのガラスの止め方など、どんどんガラスだけにしたくなってくる。このあたりが難しいといえば難しい。けれども三保谷硝子店さんとはいつまでも眺めていて飽きない、たき火の炎のようなガラス照明器具が出来るかも知れない。

DSC_0077.JPG会場ライティングも行った。